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私の姓自認

2023/12/9 7:36:00

 『現代社会における名前の不自由さと自由に名前を決められる社会の夢想』を読んだので、私の姓についてちょっと話したい。

 実を言うと、私はホンのさっきまで、自分の正しい名字を把握していなかった。

 「辻󠄀」と「」の違いはおわかりになるだろうか。しんにょうの点の数が異なるのである(なお閲覧環境によって点の数が同じなることもある)。私が幼少の頃には「ツジ」の字は点が一つの「辻󠄀」だったのだが、ある時から点が二つの「辻」に変えられてしまったのだ。

 Wikipediaを引いてみると次のように書いてある。

漢字としての「辻」のしんにょうは、日本では2000年に制定された表外漢字字体表により2点しんにょうが標準とされたものの、戸籍上は1点しんにょう「辻󠄀」と2点しんにょう「辻」は別字として区別され(戸籍統一文字番号においては1点は437660、2点は437750となる)


 私の姓自認としては点が一つの「辻󠄀」が良いのだが、メールなどではどうしようもなく点が二つの「辻」で記載されてしまう。あるときは、保険証を作る際に手書きで点が一つの「辻󠄀」を書いて出した所、「そんな字はねぇ」と言われ、カタカナで表記されてしまった。まあ仕方がないものだと思っていた。実際、私自身も、手書きの際には1点しんにょうの「辻󠄀」と書き、キーボードでの入力においては「辻」と入力していた。その方が楽だからである。

 しかし、ある時、弊社に税務署から旧字体の名前の描画について問い合わせが来たのだ。どうやら人の名前というのは税務と結びついているらしい。マイナンバーが割り振られたにもかかわらず。そうなると、私のツジの書き分けが将来的に問題になる可能性が出てきた。

 諸々そういったわけで、つい先程に住民票の写しを見たわけであるが、私の姓は1点しんにょうの「辻󠄀」であることが確定したのである。私の姓自認は肯定されてしまい、そうなれば俄然、愛姓心が湧いてくる。会社に登録している、なんやらかんやらを訂正して回らねばなるまいという気持ちが持ち上がってきており、「めんどくさいやつだな」と思われる危惧と天秤に掛けられている。


 ちなみに弊社の社長は「サイの旧字体とか全部システムに合わせて統一しちまえ」と放言していた。ITエンジニアとしては好感が持てる姿勢である。