あれ
1990 年代、シンクタンクのアナリストたちは「効果に基づいた作戦(EBO: effects-based operations)」、「迅速かつ決定的な作戦(RDO: rapid decisive operations)」、「情報支配(information dominance)」、「軍事における革命(RMA: revolutions in military affairs)」、そしてもちろん「作戦環境に係る総合評価(operational net assessment)」といったコンセプトに関する論文をせっせと書き、ブリーフィング用の図表をまとめた19。この技術革命が、どのように軍事に関する過去の考え方を覆すのかについての理解を広めるために、これまでの「戦いの原則」を書き換えるべきだと提案する試みさえあった 20。実際のところ、こうしたコンセプトはまったく歴史的な根拠に基づいていなかった。ほとんどの著者が歴史に関してまったくの無知であったか、もしくは、到来するテクノロジーの大革命についてあまりに熱狂していたために、米軍のこれからの可能性に対して歴史研究や教訓などはまったく妥当性がないものとして棄却してしまったか、そのいずれかであった。
あれ
今世紀初頭、アメリカ統合軍司令部の一人で、米軍の、あの掃き溜めのような集団の中では思想家とみなされていた人物が「作戦環境に係る総合評価(operational net assessment)」という名のコンセプトを打ち出した
あれ
しかし最後に、米軍で最も教養のある最高幹部の一人とされるジェームズ・マティス海兵隊大将が統合戦力軍コマンドの司令官に就任し、速やかに人事の刷新を行い、「 作戦環境に係る総合評価」や「 効果に基づいた作戦(effects based operations)」など、これらの数々のコンセプトを「役立たずのポチョムキン村(政治上の見せかけ)」として切り捨てた。