http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary177.pdf
『中国が目指す認知領域における戦いの姿』
2022/1/8 17:06:00
将来の認知領域での戦いの帰趨を大きく左右するものとして、「脳コントロール技術(控脳技術)」にも注目が集まっている。敵の認知をコントロールすることを目指す認知領域での戦いにおいては、認知の究極的な主体である人間の脳を直接コントロールすることができれば、圧倒的な優位に立てるからである。敵人の脳を支配する「制脳権」の奪取を目的とした「制脳作戦」が将来の戦争における新たな姿として想定されるのである
『中国国防報(2003 年 12 月 16 日付)』に掲載された論評は、「認知領域における優勢の争奪が、情報化戦争での勝利を手にするための“基点”になった」と主張し、獲得すべき認知領域における優勢の具体的な構成要素として「感知優勢」、「知識優勢」、「心理優勢」、「決定優勢」の 4 つを指摘した。
中国軍では、「輿論戦」、「法律戦」、「心理戦」からなる、いわゆる「三戦」が作戦計画において重視されている
「智能化戦争」における認知領域での戦いの姿について、『解放軍報』(2020 年 9 月 17 日付)に掲載された董治強の論文は以下のように説明している。過去の認知領域における攻防は、主に敵の感知を抑制することであった。しかし、認知科学の発展に伴って、「智能化戦争」における認知領域での作戦の内容は「認知抑制」だけでなく「認知形成(塑造)」と「認知コントロール(控制)」の 3 つのカテゴリーに拡大した。