なので、創作性が発生しない、事実の記述になる範囲に留める必要がある。
創作性
2022/7/16 17:55:00
原判決は,別紙原告記述及び転載文一覧表記載の原告各記述部分のうち,「年明けに母と2人でNYに行くことになりまして」の記述には創作性がないとして著作物性を否定したのに対し,「予算は限られていますが母になるべく快適な滞在を楽しんでもらいたいです。アドバイスよろしくお願いいたします」の記述には創作性を認めた。しかし,この二つの文には,創作性の面で違いを認めることができない。前者の表現に創作性がないのは,表現が平凡でありふれたものである
ばかりでなく,それが単に事実の切れ端を述べたにすぎないものであるからであり,そのことは後者の表現も同じである。単なる事実や思想の切れ端を書き散らした表現には,何ら保護すべき思想も感情も含まれていないというべきであり,「相当程度にまとまった独自の思想や感情に基づく独創性」があるとはいえない。
原判決は,上記のほかにも,別紙対比表記載のとおり,原告各記述部分について,同様の内容表現であるにもかかわらず,一方は創作性なしとし,他方は創作性ありとしている。
原告各記述部分は,いずれも,「○○ホテルの××がおいしい」「△△ホテルの□□が雰囲気がよい」などといった,事実の切れ端や感想の切れ端の記述にすぎない。それらは何かまとまった意見を述べたものでも,まとまった感想を述べたものでもないから,創作性を認めるべきではない。