あれ
文章の練習はどうすればいい?
文章力を高めるための練習をしたいと思ったとして、どうすればいいのだろう?
真似をしよう!しかし、真似とは?
例えば、上手い人の真似をするとしよう。
そこでいう「真似」とは、その人の文章を書き写すことだろうか?
それとも、その人の文章の良い部分……本質的な部分を抽出することだろうか?
だが、自分がどのようにして、その文章にとって本質的なところがどこであるか判別できるだろうか?
分からない。
ひとつの可能な手段
だが、分かることもある。
ひとつ、他の人の文章のなかには、「これまでの自分だったら絶対に書かない形の文」が含まれている。
それを見つけさえすれば、そういった、自分の惰性からは絶対に出てこない形を、意識的に自分のなかに取り込む機会を得る。その機会を活かせば、文章を書くときに使えるオプションが増える。これは確実なことだ。そのオプションを、実践の場で引き出せるかどうか。こちらのほうは、不確実だが……
具体例:単語習得
分かりやすい例は語彙である。
自分がそれまで知らなかった言葉を、他の人の文章に見出し、自分でもそれを使ってみること。
そうすることで、〈これまでの自分では使いえなかった言葉〉を使いうる自分になれる。
それが文章力の向上であるかどうかは分からない。
だが、執筆の際の(選択肢の)可能性の増加であるということは確かだ。
単語習得を文体にも応用する
これと同じことを、文体的なことでもやってみるといい。
例えば「と思う」と書く人もいれば、「と、思う」と書く人もいる。
惰性で「と思う」と書く人は、それとは違う形の「と、思う」という書き方もやってみる。
このようなちょっとしたことだけでなく、他にも様々な文体のパターンがあるはず。
そのパターンを集めることはできるはずだ。
あれ
経験上、自分が既にある程度やれていることについてさらに上手くやりたいと思った場合、練習は不可欠である。そして、沢山文章を書くことは、練習でもなんでもない。それはただの、自分の惰性の確認にしかならない。
すべきことはシンプル。
「自分の惰性」とは別な原理にしたがってものを書くように自分を強いることだ。
(「自分の惰性」より優れた原理にしたがってものを書くこと ではない)
その方法のひとつが、他の人の文章の真似である。特に、上手い文章を真似ること。
別な方法は、誰かに師事すること。