t_wの輪郭

これも面白い解釈ですね。

輪郭は概念を表現するための形式，というのが開発者のイメージです。ただ，いわゆる概念と1対1で対応するとは限らない（そこまで厳密にすると実用的ではない）ので，輪郭群が一つの概念を表現しているということはありえます。

グラフというのは半分当たりです。輪郭法の特色は，そのグラフを俯瞰するのではなく，その頂点に一人称視点を持ち込んだところです。イメージとしては，そのグラフをストリートビューで見ているような感じでしょうか。輪郭一覧は，「ワープ先」の選択肢でもあります。

だから「神経目線」なのです。

「デライトは主観的に知識のネットワークを見る。だから、引き入れは主観的に引き入れると良い」という説明を思いついた。
　が、なにが「だから」だ、何も説明になってないだろう。とも思ってしまった。関連付けられているようで、関連付けられていない。論理が飛躍している。

Roam Research とか Obsidian にある画表（グラフ）化の機能も，全くの無駄だとは思わないまでも，実践上は「飾り」に近い。だからデライトでは一覧と画表を「（脳の）神経目線」で統合している。

Roam Research にも Obsidian にも，ネットワークを画表（グラフ）で可視化する機能があるのだが，デライトは最初から FPN（first-person networker），つまり俯瞰ではなく「神経目線」でネットワークを見る徹案（デザイン）で，これは奇抜過ぎかも。

そこで「神経目線」になってみると，情報のやりとりは出来るだけ近場で済ませたい，ということになる。つまり，必要十分な情報に最短で辿り付けるように脳は整理されている。これをどう再現するか，という問題への答えが輪郭法でありデルンでありデライト。

情報の遠近感がなぜ重要なのかといえば，脳というのは動物にとって生存に有利なように行動を最適化するものだから。それも可能な限り省力化して。要は，優先順位を付ける必要がある。

ネットワーク構造を俯瞰してしまうと，無秩序な情報のつながりしか見えない。そこに神経目線，一人称視点を導入すると，情報間に「遠近感」が生じる。

ネットワーク構造を俯瞰したくなる気持ちはよく分かるのだが，「神経目線」での一人称視点が一番大事。だからデライトは FPN（first-person networker）。

そういう意味では，Roam Research で画表（グラフ）表示する機能，あれはちょっと蛇足だな，と感じた。見て面白いというのはあるだろうが，実用性はほぼ無いし，ああいう視覚表現に頼ろうとすること自体が悪手。

ネットワーク構造というものを「神経目線」で考えるとデルン／デライトのようになるんだろうな。