上が責任を取れば、組織の機敏性が上がる
多くの人々は、説明責任を負うことで、愚弄や叱責の対象になることに対して二の足を踏みます。しかし、優れたマネージャになろうと思うのであれば、全く逆の態度をとるべきです。つまり、チームやプロジェクトに関することについての職責を追求、行使することで、チームやプロジェクトに導こうとするべきなのです。また、非難されることに対するエンジニアやテスターの恐れを取り除くことで、解決策が優れたものになったり、迅速に実現されるというのであれば、進んでそうするべきでしょう。
『アート・オブ・プロジェクトマネジメント マイクロソフトで培われた実践手法』
マネージャやリーダが積極的に外部からの非難を引き受けることが、チームの生産性を上げる。非難の対象とされないことで、チームのメンバーは安心して働くことができる。
もし非難を引き受ける人がいなければ、チームは身動きが取れなくなる。メンバーの自発性が失われる。非難されることを避けるために、命令がなければ動かなくなる。
回収期間法
機敏性
理解可能な未来(=顧客or敵の心理状態)への集中→末端の主導性の向上→機敏性の向上
戦略はもっと多くのことを要求する。そもそもすべての可能性について計画を立てることなど可能なのだろうか。各シナリオは、さらに10個の未来シナリオを示唆し、点と矢印からなる蜘蛛の巣に包まれてしまい、そこから消して逃れることができなくなる。
毛玉化した計画の下では、組織は身動きが取れなくなる。計画の全容を把握できる人間はいなくなる。末端に至っては命令を聞くだけで精いっぱいになる。自主性は損なわれる。
綿密な計画を立てること自身が計画の価値を損ねる。もたもたしているうちに状況・環境が変化し計画の前提条件が満たされなくなる。
理解可能な未来に集中することで組織の機敏性を保つことができる。複雑で、理解不可能な、毛玉化した計画は立てない。
集中すべき理解可能な未来は、ビジネスでは顧客の心理状態になり、戦争や競争においては敵の心理状態になる。
「どの顧客にどのような心理状態になってもらうか」は、末端でも理解が容易だ。どんな計画よりも理解に必要な前提条件が少ない。技術的知識やビジネス的知識の要求が少ない。
心理状態に集中するべき顧客は、会社のトップが望ましい。考えるべき人数を少なくできる。理解がさらに容易になる。戦争でも意思決定機関を攻撃するのは常套手段だ。
実際にアプローチするのが顧客会社の末端であっても、トップの心理状態に集中した状態でアプローチする。
「どの顧客にどのような心理状態になってもらうか」を定めたうえで計画を立てれば、シンプルになる。計画の枝刈りができる。シンプルな計画は理解も変更も容易。
『OODA LOOP 次世代の最強組織に進化する意思決定スキル なぜ、現場で成果をあげる組織は、PDCAではなくOODAを使うのか?』
タイトル: 『OODA LOOP 次世代の最強組織に進化する意思決定スキル なぜ、現場で成果をあげる組織は、PDCAではなくOODAを使うのか?』
著者: チェットリチャーズ(Chet Richards)
訳者: 原田 勉
原題: Certain to Win: The Strategy of John Boyd, Applied to Business
目次:
- 第1章 強い者が戦いに勝つとはかぎらない
- 第2章 目に見える数字だけでは最悪の結果を招く
- ──勝つべくして勝つための最強ツール&rdr">第3章 OODAループ──勝つべくして勝つための最強ツール
- 第4章 OODAループはビジネスに何をもたらすのか
- 第5章 OODAループを高速で回すための組織文化
- 第6章 機動戦の原則をビジネスに応用する
- 第7章 OODAループで実際に何をするべきか
- 訳者解説 いま、なぜOODAループなのか