抽象化
2022/2/18 15:44:00
デジタルでメモをするとき、「デジタルでは表現できず、アナログでなければできないものが抜け落ちる」というふうにとらえがちだが、デジタルの速さによって抜け落ちないものもある。アナログでは書くのが遅すぎて、あまりに抽象化されてしまうことがある。
ということを美崎薫『記憶する道具 : 生活/人生ナビゲータとしてのライフログ・マシンの誕生』を読んでいて思った。
[うちあわせCast]でよく言及される[見出しを立ててから書いてもその通りに書けない]という問題は、具体的なもの(本文)が書かれる前に抽象的なもの(見出し)が立てられるという意味で、「早すぎる抽象化」と言えそう
見出しを作る行為を抽象化として捉えるのは非常に面白い。意識していなかったし、今まで「早すぎる抽象化」と結び付くこともなかった
執筆という行為だけを取るのであれば、本文を書いてから見出し(アウトライン)を書くと「早すぎる抽象化」は避けることができるだろう。ただ、商業的には見出し案を提示して企画を通す必要があるし、見出し案に沿って本文を書くことで、一貫性を持った書籍を作ることができる。ボトムアップだけでは方向性を持たせることが難しい。